あの商工会館に文化財的価値が?

 ふれあい新聞編集部のある商工会館に、文化財的価値が有るかも?との 気になる研究が稲城市教育委員会編「稲城市文化財研究紀要」第2号に掲 載されました。それによると、現在の商工会館は1897年(明治30年) に稲城村役場として建てられ、以後農協、消防署、福祉事務所と受け継が れ昭和56年9月から商工会が使用しているとのこと。毎日使っている立 場で言うと、たしかに古いということはわかりますが、内外装も建設当時 とはずいぶん変わっていて、「そんな価値があるのかなー」というのが実感 です。研究によると、従来は大正10年建築の「旧府中町役場庁舎」が多 摩地方に現存する役所建築の中では最古のものとして都指定有形文化財に 指定されています。ところが、稲城市のそれはさらに24年も遡る時期に 建てられたのです。全国的に見ても明治30年以前に建設された市町村役 場で現存するのは、稲城を含めてもわずか7棟にすぎないとのことで極め て貴重な文化財である、と結んでいます。
 言われてみると、屋根から続く軒蛇腹(コーニス)と呼ばれる部分に特 徴があり、当時のモダニズムをわずかに伝えているようにも思えます。
 こんど稲城市商工会館の前を通りかかったら、歴史の流れを考えて見て はいかがでしょう。 追伸 5月25日の読売新聞の夕刊にも、このことが掲載され一気に メジャーになりました。ご覧になった方も多いと思います。